三人寄れば文殊の知恵、十人寄れば烏合の衆

前のエントリーではてブにコメントをいただいたので反応します。

id:Koshianx

referred そういう話じゃねーよ。現状のマスメディアが腐ってて「暇じゃない俺ら」にまともに情報がこねーから困ってる、ってこと。そしてネットに一時情報がふってくりゃあとは俺らプログラマがなんとかできるはず、って話

直感的に引っかかった部分を、ほとんど思いつくままに書き出していったので、議論として噛み合っていなかったらすいません。
さて、「ネット上に一次情報がふってくりゃ」とは仰いますが、その論旨からすれば一次情報をネット上に上げるの「暇じゃない俺ら」の中の誰かなんですよね。
ここで二つ問題があると思っています。


一つは、労力の問題。
書類関係であれば公開するのにそれほど苦労はないですが、文書化されていない情報をネット上に上げるのはそれなりに手間暇がかかります(会見や発言録を文章に起こしたり、査察で見聞きした内容をまとめ上げるような状況を想定してます。データ量によってはサーバー負荷も問題ですね)。
マスコミはそれが仕事ですから良いのですが、本業を他に持つ人がそう言ったことに労力を割けるのか?という疑問です。


もう一つは、ネット上にアップされた「一次情報」と称する物の正確さをどうやって担保するか。
最近の例で言えば、菅直人氏が公式サイトで「多くの有識者の話を聞いたが、多くは需要拡大政策で私の考えに近い人が多かった」と書いたところ、twitter三木谷浩史氏にヒアリング中に居眠りしていたのを暴露されてしまったことがありました。これは嘘(という程の物ではないですが)が露見した例です。しかし、菅氏が正直に「ヒアリング中に居眠りをしてしまいました」などと公式サイトに書こう物ならそれこそ大炎上でしょう。
結局のところ、情報を正直に垂れ流すよりも、自分に都合の良い情報だけに選別して流す方が有利です。そして、情報の発信を一次情報保持者にゆだねる場合、「本人が隠したがっている情報」に誰がどうやって切り込んでいくか、と言うのが問題になります。
(ここではさらに、プライバシーや機密情報といった公開するべきではない情報と、公開すべきだが隠されている情報を誰か切り分けるかというのも重要でしょう。)


ここまで書いてきて、自分の中でも考えがまとまったのでちょっと論点を変えます。
現状、マスコミは情報の発信(取材や記事の製作とか)と情報の流通の両方をほぼ独占しています。構造的には情報の流通で得られた利益で、情報発信にかかるコストをまかなう形です。元のエントリのアイデアでは情報の流通だけに着目していて、発信する側のコスト(と精度)が度外視されているように思います。情報の発信と流通は同時に考えなくてはならない問題であり、流通だけ改革しても発信側がついてこれなければ、ますます情報が埋もれるのがオチではないでしょうか?


id:dekaino

id:Koshianx 「俺ら」って誰と誰さ? そこを特定しないと一人称複数形の曖昧さを利用して誤魔化してるようにしか見えないよ

そこをを定義しようとすると議論がそれてしまうと思いましたのであえて曖昧なままにしてあります。


id:aiaki

ネタ 総論的にはいろんは無い。只、今のマスコミは有っても価値が見いだせないとは思う。

もちろん、現状のマスコミを好ましく思っているわけではありませんが、そもそも大衆向けのマスコミに精度を期待するだけ無駄だという思いもありますし、多くの人が求めているのは「わかりやすくて面白い話」であって「正確だが難しい話」ではないだろうとも思います。(それは2chブログ界隈を見ていても同じことを思います)
私の中では、マスを相手にするメディアはすべからく低俗化するというのが結論です。