「自己責任」の議論について

んー。
まず、以前にも書いたと思うが自分の考えとしては、派遣切りの人たちだけを特別に救済するべきではないと思ってる。セーフティネットは失業者や生活困窮者の全員に平等に整備されるべきだ。(行政に違法な点があったのなら、対象者を救済するための特別処置をするのは理解できるが)
その上で、不況により失業者が増えるのは問題なのでそれに対する取り組みとしてなら賛成できる。要するに、自己責任の有無と、救済の有無はあんまり関係させる必要は無いと考える。(ただし、特定の業種や地域に救済の網を絞ることで全体の被害を軽減できる見込みがあるのであれば、そういう対策はやってみる価値はあるだろうとも思うが)

問題なのは、大量の失業者を放置することで社会全体に対して悪影響があることであって、そこに個々人の事情はあまり関係がない。逆に言えば、例え失業者達が無過失であったとしても、行政の対策コストが、放置することによる社会全体のデメリットを上回るなら、対策などせず放置すればよい。ただし、必要最低限のセーフティネットが構築されていることが前提ではある。
だから、議論として「自己責任だから救済は必要ない」も「自己責任じゃないから救済すべき」も、どちらも賛同はできない。

最後に二つ。
1.本当に違法な解雇が横行してるのであれば、元派遣労働者達がするべきは、まず労働基準監督署などに行くことじゃないのだろうかと。違法解雇を司法や行政に訴えない理由はなんだろう。単純にそういう知識がないのか、交通費も電話代も無いくらい追い詰められてるのか。
2.派遣社員以外の選択肢がなかったという意見もあるがそんなことは無いはずである。派遣しか選べない理由は、個々それぞれあるだろうが、その理由の方をなんとかしてしまうという選択肢は常にあったのではないか?本当に派遣をする以外の選択肢がなかった人なんてそんなにいないのではないだろうか。