管理団体の言い分もわからないではないのだけども

http://d.hatena.ne.jp/NaokiTakahashi/20090502/p3
えっと。
まあ、消費者側が著作権管理団体について強い不信感を持ってしまっているということも問題のひとつではあるんだろうと思う。もうちょっと著作権管理団体側もうまく立ち回ればこんなに話がこじれることも無かったのではないか。
ただ、考えるに、お金を払う側とお金を受け取る側で、意識のズレが甚だしいのではないかと感じる。
消費者側は払ったお金は、自分の応援するクリエーターに還元されるべきだと考えていると思う。つまり、消費者の求めるシステムを突き詰めると、人気のあるクリエーターはますます収入を得て、人気のないクリエーターは全く収入を得られないということになる。
一方で、著作権管理団体の側では収益を業界全体でシェアすることを考えているんじゃないかと思う。若手にチャンスを与えるためだとか、斜陽ジャンルの活性化のためにお金を使いたい。そのためには人気のあるクリエーターへの分配は減らしたい。
そうすると透明性の高い収益の分配システムの構築は、管理団体の意向とは相容れない存在ということになる。しかし、分配の不透明なシステムは消費者の不信を煽ってしまっているのが現状ではないか。

これは、雑誌連載にも同じようなことがいえるのかもしれない。
読者は人気作家の連載だけを読みたい。
編集側は、数本の人気連載で多数の不人気作家にチャンスを与えたい。
そこには一種の対立関係が存在するのかもしれない。

今求められているのは、今まで慣習でやってきたことをきちんと消費者側に説明することなんじゃないのかなぁと思わないでもない。

2009/05/04追記
>分配は消費者団体が気にすることではないのでは。
えー。言葉が足りなかったようなので補足します。(流通コストについてはどうこう言うつもりはないです)
私が問題だと思ってるのは、補償金の分配が不透明すぎて、消費者が払ったお金がクリエーターに還元されていないように見えてしまっている部分です。JASRAQもそうですね。どんぶりで徴収しておいて、正確に分配できているわけがない。
管理者団体側からすれば、こういった収入を単純に出来高制で分配してしまっては、単なる集金機関になりさがるわけで、そうはいかないというのはわからないではないです。商売として儲からないジャンルこそ、補償金等の収益で保護する必要があるという考え方もあるでしょう。
ただ、消費者としては、あまりに不透明な分配は、なにか利権があって中間搾取されているのではないかという疑心暗鬼になってしまうのではないでしょうか?
「中間搾取が無くなれば適正価格はもっと下がるのではないか」「払ったお金がクリエーターに還元されていないのではないか」「クリエーターに還元されないお金を払う必要があるのか」そういう意識を消費者に持たせてしまっているのが、問題の一因なんじゃないですかね。
極論すると、消費者というのはお金を払わないですむ口実を見つけると、お金を払わないことを正当化してしまうのではないかなと。お金を徴収する側は、そういう口実になりそうな部分を潰しておくのが賢いやり方だろうと思うのですが。