ベビプリについて

ベビプリを最初に見たときはかなり小馬鹿にしていた。シスプリの二番煎じ臭は隠しようもないと思ったし、『19人』『トゥルー家族』『半分は年齢一桁』とかあり得ないと思ってた。
ただ、今にして思えば、これらは計算尽くなのだな。

まず、舞台を家庭にすることで、友達や仕事仲間といったサブキャラクターの搭乗する余地をほとんど解除している。これによりヒロイン以外の人物を関与させることなく無理なくストーリーを成立させることができる。
普通のギャルゲー等であれば、夕方の帰宅後というのはほとんどの場合は主人公のモノローグ程度で流してしまうものだが、ベビプリの場合は帰宅してから翌日家を出るまでがメインストーリーであり、日中はオマケに過ぎない。この逆転の発想はかなり画期的だと思う。
それに家族であれば『一緒にいること』に理由はいらない。そういう面倒な説明もぜんぶ省略できてしまう。

また、日記を毎日更新するコンテンツの都合上、年少組が多いのは都合がよい。大人であれば事件にもならない日常を、イベントへ昇華してくれるから。ただ、雨が降って雷がなっただけでも事件にできる。それに年少組が多いことは年長組が面倒を見てあげるわけで、そこでもイベントにできる。普通なら、年長組くらいの年頃であれば家族より優先する外の交友関係もあるはずだが、面倒を見てあげるべき子供が多ければ帰宅も自然と早くなるはず。

どこまでが偶然で、どこからが必然かはわからない。ただ、ベビプリというのはよくよく計算されたコンテンツだと思う。